納音の存在は知っていたけど、使ってたわけでもなく
なんとなく知っている程度だったんだけど
自分の命式の中に柘榴木という納音があって
コレがこんな構成↓↓↓
庚申・辛酉 → 柘榴木
庚・辛は金。
申・酉も金。
なのに、納音では
\\🌳 木である。// (なんでー!頭が標準で五行なのですごく疑問!)
この「木」はいったいどこから出てきたんだろう?
って不思議に思ったことから調べることにしました。
納音の存在は知っていたけど、使ってたわけでもなく
なんとなく知っている程度だったんだけど
自分の命式の中に柘榴木という納音があって
コレがこんな構成↓↓↓
庚申・辛酉 → 柘榴木
庚・辛は金。
申・酉も金。
なのに、納音では
\\🌳 木である。// (なんでー!頭が標準で五行なのですごく疑問!)
この「木」はいったいどこから出てきたんだろう?
って不思議に思ったことから調べることにしました。
納音(なっちん)は、六十干支を「音」と五行によって分類する古い体系で
ここでいう「音」は比喩ではなく、中国古代の五音である
宮・商・角・徴・羽を指します。
五行大義では、納音について、
納音数者、謂人本命所属之音也。音、即宮商角徴羽也。
納音数とは、人の本命の属する所の音を謂うなり。音とは、即ち宮・商・角・徴・羽なり。
納音とは、その人の本命が属する音をいう。その音とは宮・商・角・徴・羽である。
と、説明されています。
五音はそれぞれ五行と対応していて、
宮=土
商=金
角=木
徴=火
羽=水
そのため納音は、単純に干支へ五行を当てはめたものではなく、
六十干支と古代中国の五音・音律体系を結びつけ、
そこから五行へ分類する仕組みとして見ることができます。
また、現在よく知られている納音には、
海中金・炉中火・大林木など、それぞれに名称がついています。
(見かけたことある人いるかな?)
❖納音の「音」は、宮・商・角・徴・羽という五音の「音」
❖納音とは、六十干支を音律と五行によって分類する体系。
納音の五行は、どうやって決まるのか?を五行大義から探ってみます。
納音數者。謂人本命所屬之音也。
納音数とは、人の本命の属する所の音を謂うなり。
音。卽宮商角徴羽也。
音とは、即ち宮・商・角・徴・羽なり。
納者。取此音。以調姓所屬也。
納とは、この音を取りて、以て姓の属する所を調ぶるなり。
(五行大義 第四 論納音数)
「納音数」とは、人の本命が属する音をいう。
その「音」とは、宮・商・角・徴・羽の五音である。
「納」とは、この音を取り入れて、姓の所属を調べることをいう。
(ここで言っていること最初の2文は、さっき作った「納音ってなぁに?」そのもの。)
まず、本命(干支)→ どの音に属するかを求めるのが納音。
そしてこの時点ではまだ、木・火・土・金・水を直接求めているわけではない。
まず求める対象は、
宮・商・角・徴・羽
(ココ大事。)
続く一文にいきなり算出方法の土台みたいなものが出てきた
樂緯云。孔子曰。丘吹律定姓。
一言得土曰宮。三言得火曰徵。
五言得水曰羽。七言得金曰商。
九言得木曰角。
(五行大義 第四 論納音数)
『楽緯』によれば、孔子はこう言った。
一を得れば土、これを宮という。
三を得れば火、これを徴という。
五を得れば水、これを羽という。
七を得れば金、これを商という。
九を得れば木、これを角という。
1 → 土宮
3 → 火徴
5 → 水羽
7 → 金商
9 → 木角
ここで初めて数字 → 五行 → 五音という変換表が登場。
なので現時点で見えている納音算出の骨格は、
本命の干支
↓
何らかの方法で 1・3・5・7・9 のどれかを出す
↓
その数字から五行と五音が決まる
ということになる。
(まず「五行をどう出すか」ではなく、「1・3・5・7・9のどれを得るか」が計算の本体らしい。)
凡五行有生數、壯數、老數三種。
木、生數三、壯數八、老數九。
火、生數二、壯數七、老數三。
土、生數五、壯數十、老數一。
金、生數四、壯數九、老數七。
水、生數一、壯數六、老數五。
(五行大義 第四 論納音数|生数・壮数・老数)
五行には、それぞれ生数・壮数・老数の三種類の数がある。
木 → 生数3・壮数8・老数9
火 → 生数2・壮数7・老数3
土 → 生数5・壮数10・老数1
金 → 生数4・壮数9・老数7
水 → 生数1・壮数6・老数5
さっき出てきた、
1 → 土宮
3 → 火徴
5 → 水羽
7 → 金商
9 → 木角
は、全部この\\老数//だった!
つまり『五行大義』は、納音では五行の「老数」を使う
という構造を採っているわけだ。
でも、なんで納音だけ老数使うのだろう?
なぜ納音では「老数」を使うのか
先生數、次壯數、後老數。
納音論其本命、故以終數言之。
(五行大義)
まず生数があり、次に壮数があり、その後に老数がある。
納音はその人の本命を論じるものであるため、
終わりの数=老数を用いる。
五行大義の内部理論では、
生 → 壮 → 老
という時間的な段階があって、納音は「本命」、
つまり人の所属を論じるものだから、
最後まで成った数である老数を採用する、という理屈なんだね。
❖納音で使う 1・3・5・7・9 は、五行それぞれの「老数」である。
❖土1・火3・水5・金7・木9という対応は、納音独自に突然出てきた数字ではない。
❖五行大義では「生→壮→老」という三段階のうち、納音は本命を論じるため「老数」を用いると説明する。
さらに続けて
物生之後。必至成壯。成壯之後。必有衰老。故有三種義。
物、生じて後、必ず成壮に至る。成壮の後、必ず衰老有り。故に三種の義有り。
(五行大義)
物は生まれた後、必ず成長して盛んになり、その後には衰えて老いる。だから「生・壮・老」という三つの段階がある。
五行大義』の中では、老数は単なる「大きい数字」とか「最後に余った数字」ではなく、
五行の気が
生まれる → 壮んになる → 終末・老成へ至る
という変化段階の、
最後の数として位置づけられている。
木 → 生数3・壮数8・老数9
火 → 生数2・壮数7・老数3
土 → 生数5・壮数10・老数1
金 → 生数4・壮数9・老数7
水 → 生数1・壮数6・老数5
(生数と壮数は見覚えあるかも?五行数としてよく出る組み合わせだね。)
で、その老数5・3・9・7・1はどうやって決めたんだ?!という疑問。
そこについて五行大義は管輅の説を引用して、一つずつ象数的な理由付けをしています。
土=1
→ 土は万物の主で、すべてがそこへ帰するから「一」。
火=3
→ 天・地・人の三才が交わって人の道が備わる。火の徳と三才の義を取って「三」。
水=5
→ 上では五星、下では五臓に応じるため「五」。
金=7
→ 七曜に対応するため「七」。
木=9
→ 天では九星、地では九州、人では九竅に対応するため「九」。
ココで大事なお知らせです。
これ、現代数学みたいに
「この公式を入れると老数が一意に導出されます」
という説明ではなく、かなり象数思想による対応づけみたい。
というわけで、1=土、3=火、5=水、7=金、9=木の正体は
\\五行の老数だった//
じゃあ、その老数を本命の干支からどうやって出すの?っていうお話。
納音者。子午屬庚。震卦所直日辰也。
丑未屬辛。巽卦所直日辰也。
寅申屬戊。坎卦所直日辰也。
卯酉屬己。離卦所直日辰也。
辰戌屬丙。艮卦所直日辰也。
己亥屬丁。兌卦所直日辰也。
※本文の「己亥」は文脈上 巳亥。後段でも巳を丁に属するとして説明しています。
(五行大義)
納音は、子午は庚に属す。震卦の直する*日辰なり。
丑未は辛に属す。巽卦の直する日辰なり。
寅申は戊に属す。坎卦の直する日辰なり。
卯酉は己に属す。離卦の直する日辰なり。
辰戌は丙に属す。艮卦の直する日辰なり。
巳亥は丁に属す。兌卦の直する日辰なり。
納音は
子・午 → 庚
丑・未 → 辛
寅・申 → 戊
卯・酉 → 己
辰・戌 → 丙
巳・亥 → 丁
と対応させていて、それぞれ、震・巽・坎・離・艮・兌の六卦に対応する日辰である、と説明している。
そしてここではひとまず、
「地支を、対応する天干へ置き換えるルール」
として受け取っておけばOK!
次に、実際の算出例を五行大義からそのまま五つ出します。
(八卦の話はまた別で…)
一言得土者。本命庚子。子屬於庚。數之。一言便以得之是也。
一言にして土を得る者は、本命庚子なり。子は庚に属す。これを数うるに、一言にして便ちこれを得る、これなり。
庚子の場合、子は庚に属する。
元の天干も庚、対応先も庚なので、
庚=1
老数1は土。
したがって…
庚子 → 土
三言得火者。本命丙寅。寅屬於戊。從丙數至戊。凡三是也。
三言にして火を得る者は、本命丙寅なり。寅は戊に属す。丙より数えて戊に至る。凡そ三、これなり。
丙寅の場合、
寅 → 戊。
丙から戊まで数えると、
丙・丁・戊=3
老数3=火。
したがって…
丙寅 → 火
五言得水者。本命壬戌。戌屬於丙。從壬數至丙。凡五是也。
五言にして水を得る者は、本命壬戌なり。戌は丙に属す。壬より数えて丙に至る。凡そ五、これなり。
ここで天干は十干を循環して数える。
壬 → 癸 → 甲 → 乙 → 丙=5
老数5=水。
なので…
壬戌 → 水
七言得金者。本命壬申。屬於戊。從壬數至戊。凡七是也。
七言にして金を得る者は、本命壬申なり。申は戊に属す。壬より数えて戊に至る。凡そ七、これなり。
数えると、
壬 → 癸 → 甲 → 乙 → 丙 → 丁 → 戊=7
老数7=金。
よって…
壬申 → 金
九言得木者。本命己巳。巳屬於丁。從己數至丁。凡九是也。
九言にして木を得る者は、本命己巳なり。巳は丁に属す。己より数えて丁に至る。凡そ九、これなり。
己 → 庚 → 辛 → 壬 → 癸 → 甲 → 乙 → 丙 → 丁=9
老数9=木。
己巳 → 木
そして最後に…
六十甲子。例皆如是。
六十甲子、例みなかくのごとし。
つまり、\\六十干支は全部この方法で出せる。// (当たり前だ。そうでなくては困る!)
❖ 地支を対応する天干へ置き換える。
❖ 元の天干から、その天干まで十干を順に数える。
❖ 出た1・3・5・7・9を老数として五行へ変換する。
これが『五行大義』式の納音五行算出法。
(なんかちょっとややこしい印象を受けた人もいるかも?)
甲子・乙丑を例に実際に計算をしてみよ〜。(パパーン)
まず 甲子。
子 → 庚
元の天干は甲なので
甲 → 乙 → 丙 → 丁 → 戊 → 己 → 庚= 7
老数7=金
したがって、甲子 → 金
次に 乙丑。
丑 → 辛
元の天干は乙なので、
乙 → 丙 → 丁 → 戊 → 己 → 庚 → 辛= 7
老数7=金
したがって、乙丑 → 金
甲子・乙丑は金になる。(んです。)
甲子・乙丑は「海中金」と呼ばれて(?)いて、少なくとも「金」の部分は
五行大義の算出方法で出せます。
では、冒頭で気になった「柘榴木」も計算してみましょ〜。
計算方法は同じなので
庚申
申 → 戊
元の天干は庚。
庚 → 辛 → 壬 → 癸 → 甲 → 乙 → 丙 → 丁 → 戊 = 9
老数9=木。
庚申 → 木
辛酉
酉 → 己
元の天干は辛。辛 → 壬 → 癸 → 甲 → 乙 → 丙 → 丁 → 戊 → 己 = 9
老数9=木。
辛酉 → 木
(ね、木になったでしょ?)
「庚辛は金、申酉も金なのに、なんで木?」
↓↓↓↓
元の五行を足したり見たりしているわけではなく、
地支を対応した天干へ置き換え、そこまで数えた結果が9になるから木。
今回わかったのは、
柘榴木が「木」なのは、庚・辛・申・酉そのものの五行から判断しているわけではないこと。
五行大義では
地支を対応する天干へ置き換える
元の天干からそこまで数える
出た数を老数に対応させる
という算出法を使う。
庚申も辛酉もその結果が9になり、老数9=木。
だから、柘榴木は木になる。
なんで金だらけなのに木なんだよ〜!
を、五行大義から回収できました。
次回は、三命通会の算出方法を紹介してみようと思います。
*日辰
干支で表される日・暦上の日の位置みたいな意味で読むのが近いかも。(ざっくり)
「日辰」自体には古くから、天干と地支の組み合わせという意味があり、
漢代の『論衡』にも「日十而辰十二、日辰相配」とあって、「日=十干」「辰=十二支」を組み合わせる説明が見えます。